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あなたの仕事もヤバいかも!?弁護士が資格を取っても安泰になれない理由

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狭間純平(@junpei_hazama)です。

ちきりんさんの名著「マーケット感覚を身につけよう」を読みました。

マーケット感覚を身につけよう---「これから何が売れるのか?」わかる人になる5つの方法

マーケット感覚を身につけよう---「これから何が売れるのか?」わかる人になる5つの方法

 

論理思考と対になる、これからの市場化された社会に必要不可欠な能力「マーケット感覚」について、様々な例を取り上げながら説明している本です。

今回はその中でも「弁護士が資格を取っても安泰になれない」という部分についてピックアップしてみました。

現在社会人の方や、就活を終えたorこれから始めるという方にぜひ読んでほしい内容です。

価値は需要と供給のバランスによって決まる

インターネットによって、なんでもかんでも市場化された今の社会(例えば現代の結婚は従来のようなお見合い婚ではなく婚活サイトなどで自由に誰にでもアプローチができる)では、モノとかサービスというのは需要が増えて、供給が減れば必然的に価値(価格)が高くなります。

どういうことかというと、

最高級のキャビアやトリュフは、50グラムで数千円と驚くような値段ですが、その値段にふさわしい美味しさかと問われたとき、「もちろん!」と即答できる人は多くないでしょう。

にもかかわらずキャビアやトリュフがあんなに高価なのは、供給が増えないのに、世界中にそれを欲しがる人が増えたからです。高いお金を出してキャビアやトリュフを買いたいと思う日本人の数は、30年前より今のほうが大幅に増えています。

イメージできたでしょうか?

キャビアやトリュフのような珍味が珍味と言われる(価値が高い)所以は、その味が理由ではなく、需要に対しての供給が圧倒的に少ないからなのです。

そして、これと同じようなことが今、モノやサービスだけでなく職業においても起きているのです。

弁護士の需要は変わらないのに供給が増えている

日本の司法試験の合格者数は司法制度改革審議会の提議によって、2002年にそれまでの約3倍、つまり3000人程度に引き上げられました。

これに対してちきりんさんはこう言及しています。

合格者数を増やして弁護士の供給数が増えても、弁護士への需要が増えるわけではありません。日本は人口自体が増えないし、アメリカのように裁判所が高額の賠償金を認めることもなく、裁判には多大な時間もかかるので、紛争を裁判で解決しようとする人が増えるはずもありません。

結果として弁護士は余り始め、法律事務所に就職できない新人弁護士が、なんの実務経験もないのに1人で開業せざるをえないといった、無茶な状況に追い込まれています。

さらには、

数年前から、電車の中や雑誌、時にはテレビでも「長期にわたって消費者金融を利用していた人は、過払い金が戻ってくるかもしれませんよ!」と呼びかける広告を大量に目にするようになりましたが、これは、弁護士が仕事(依頼者)を探すために出している営業広告です。

日本で一番難しいといわれる司法試験に合格したのに、過払い金返還訴訟という、ほとんどスキルの要らない仕事(最高裁が判例を出しているので、手続き書類さえ揃えれば確実に勝てる訴訟)の依頼人捜しに躍起にならざるをえないなんて、本当に大変です。

とまとめています。

これを書いている僕も一応法学部なので、こういう話はちらほら他の学生よりかは耳にするし、的を得ている説明だなと思います。

で、

他にもいろいろ調べてみると弁護士ドットコムさんが書いたこんな記事も発見しました。

司法試験合格者3000人の政府目標半減「もっと減らすべき」多くの弁護士から意見|弁護士ドットコムニュース

この記事によると、

2015年5月下旬の段階で、司法制度改革で「3000人程度」とされてきた司法試験合格者の政府目標が「年1500人以上」と事実上、半減することになったそうです。これに対して弁護士ドットコムさんが、登録されている弁護士に意見を聞いてみたアンケートが以下です。

f:id:junpeihazama:20151009000155p:plain

母数が少ないと感じますが、それでもなんと9割もの人が司法試験の合格者数を「減らすべき」という回答をしています。

「減らすべき」と答えた方の理由の中には、

「現状、弁護士ばかりが増えているのに事件数は横ばいもしくは減少している状態で、弁護士過剰になってしまっている食べてゆけない弁護士もかなりおり、弁護士資格を取っても登録せず一般就職する人も少なくないと聞く。」

「新司法試験に合格し、法律事務所への就職を希望したにもかかわらず就職ができず、即独立をせざるを得ない弁護士がかなりいます

という意見もあり、まさに上記で解説した需給バランスの崩れによって弁護士の価値が下がっていることがわかります。

あなたの仕事の需給バランスは大丈夫?

今までの日本であれば合格率の低い資格を要する職業ほど安定している「いい職業」だと思われていましたが、これからは需要が多く供給が少ない、つまり市場で強く求められる職業が「いい職業」になってきます。

 

今回はわかりやすく弁護士の例を取りましたが、あなたの仕事はどうでしょうか?

これを読んでいる社会人の方や、これから社会人になる大学生の方には「自分の職業や業界の需給バランスがどうなっているか」をぜひ考えてみてほしいです。

というのも、どんなに自分がやりたいことで情熱を捧げることだとしても、弁護士のような需給バランスが崩れている仕事だと、そこで活躍したり安定して仕事ができる可能性が低くなるからです。

結果、過払い金返還訴訟の依頼人探しをせざるをない弁護士のように、理想と現実のギャップに悩むことになるかもしれません。

 

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