事前にアポを取っていたJ−SAT Consultingで人材紹介業を担当している桂川さんにお会いしました。かなり急な連絡にもかかわらず、優しく対応して頂きました。本当に気さくな方で緊張することなくリラックスして色々なミャンマーに関するお話をすることが出来ました。
皆さんはミャンマーと聞いて何を想像しますか?
2008年に軍事主導の政治から一変、民主化が約束されて以降、ミャンマーの街は少しずつ変化しています。そんなミャンマーの働く、生きる事情について、桂川さんとお話をした中でも印象深かったことを書き記しておきます。
「ミャンマーのヤンゴンは2010年のバンコクになるのにあと20年かかる。」
…現在のヤンゴンは1990年のバンコクだといいます。経済開放されましたがやはりまだまだ。特に通信環境、電気環境に目立ったインフラが、ミャンマーで1番大きい都市、ヤンゴンでもまだ完全に整備されていません。実際、僕が泊まったゲストハウスのWi-FiはほぼLINEしか使えませんでした。Facebookなどは更新が出来ない状態。東南アジア最後のフロンティアと呼ばれる所以が、実際に来てみてよく分かります。
「ミャンマーの賃金は新卒で100ドル〜」
…日本円で約1万円です。もっとも、これはきちんと大学を出た人の新卒の賃金です。大学に行っていない人は、もっと低いことはわかると思います。
「ミャンマーの教育は暗記主体」
…桂川さんの働いているJ-SAT Consultingの人材紹介部門は今、桂川さん意外全員ローカルを雇っています。ローカルの人達をマネジメントする上で何が大変か、という問いにこの答えが帰ってきました。
ミャンマーの教育は暗記主体だから、どうしても分からないことを自分で考えて解決しようとする力が低い人が多いそうです。そこを改善するために、職場では朝、朝礼を設け、1日に1分でも2分でいいから自分で考える週間をつけるようにマネジメントしているそうです。しかし、これはミャンマーに限ったことではありませんね。すぐに聞かないでまずは自分で考える力はどんな分野でも必須だと思います。
「仏教徒とイスラム教徒は感覚としてミャンマーでは共存できていない。」
…話は宗教の話になります。ミャンマーは国民の89%が仏教徒です。一方で、街を歩いていると、意外とイスラム教徒もちらほら見かけることがあります。
桂川さん曰く、感覚としてミャンマーでは仏教徒とイスラム教徒は共存できていないそうです。例えば、新人採用の際に、イスラム教徒の方を雇用するとなった時、仏教徒のミャンマー人はそこまでよく思わないそうです。僕が旅した多国籍人種の国マレーシアではそんなことはなく、まさに異なる宗教が共存しているという感じでした。
「ミャンマーの地価は今、かつてのバブル状態。」
…昔から駐在員が住んでいるサービスアパートメントでは、家具、家電もすべてそろっていて部屋の掃除、洗濯も頼める一番グレードの高い賃貸物件なのですが、あるサービスアパートメントは、10年ほど前の家賃は約8万円/月だったそうですが、去年の暮れの家賃は一人用の1LDKで、35万円/月だそうです。東京でも港区など一部のエリアでないとこの金額はつきません。
なぜ、途上国のミャンマーの地価はここまで高いのか?
桂川さん曰く、一番は供給が需要に追い付いていないからだそうです。いくら部屋数が増えても住む外国人が増えれば価格は下がりません。さらに、古くなった物件も便乗して値段を上げているそうです。
では、ローカルな人たち向けの物件はどうなのかというと、こちらも変わりなく価格はとても高いといいます。だからローカルな人たちは一つの物件を沢山の人達でシェアをして家賃を分けるのが普通です。到底、一人で払えるような値段ではないので当然ですね。
どちらにせよ、ミャンマー全体にもっと住宅が増え、需要と供給にバランスが取れるまではこの異常なバブル状態の地価は下がらなそうです。
お話を終えて
今回、ミャンマーのビジネス、文化、慣習、その他桂川さんのことについてもお伺いすることが出来ました。
もっとも驚いたのはミャンマーの地価のお話。インフラもまともに整備されていない国にも関わらず、地価は日本並、いや、それ以上かもしれません。これに便乗した投資の話もよくあるといいます。収入が変わらないのに、家賃だけが高騰していくのは駐在員のみならず、ローカルな人たちにとっても大きなダメージ。早く需要と供給のバランスが取れることを祈るのみですね。
それにしても、ミャンマーのご飯は美味しいです!桂川さん今回はお話ありがとうございました!
桂川さんが毎日ミャンマー視点で書いているブログはコチラ▷http://melt-myself.com/