ウユニ塩湖のツアーで世界一周中の東大生(あだ名はあっくん)に会いました。驚くべきは彼、まだ大学1年生なのに休学をしていると言います。
ん?大学1年で休学?
ぼくの周りには休学している人はたくさんいますが、大学1年で休学している人は中々いません。
よくよく話を聞いてみると、東大にはギャップイヤーを推奨するための制度が導入されていると言います。彼はその制度を使って約40万円の資金援助を大学側から受け取り、旅をしているそうです。
世界一周も出来て、大学からお金も貰える!?
そんな羨ましい制度があるなんてさすが東大!ギャップイヤーを密かに推奨しているぼくとしてもかなり嬉しい制度です。
ということで今回は(東大受験を諦めた東大コンプレックスのぼくが)その制度について説明します。
✔大学のギャップイヤー制度「FLY Program」とは?
東大は2013年度入学者から、『初年次長期自主活動プログラム』「英文名称:FLY Program(Freshers' Leave Year Program)』を開始。
この新制度について、東京大学の公式サイトでは以下のように説明されています。
FLY Programは、入学した直後の学部学生が、自ら申請して1年間の特別休学期間を取得したうえで、自らの選択に基づき、東京大学以外の場において、ボランティア活動や就業体験活動、国際交流活動など、長期間にわたる社会体験活動を行い、そのことを通じて自らを成長させる、自己教育のための仕組みです。 …中略 「よりグローバルに、よりタフに」学生を育成しようとする東京大学の教育改革の一環として、FLY Programは重要な意義を持つものであり、後援くださる企業・団体をはじめ、各界から大きな期待が寄せられています。(引用 http://www.c.u-tokyo.ac.jp/info/academics/zenki/fly/) |
要するに、
高校から大学に上がる際に授業を受けなくていい、自由なモラトリアム的な1年を大学が公的に認めます。さらに内容によっては資金援助も行いますよという制度です。
✔従来の休学制度との違い
じゃあこの制度、従来の休学の制度と何が違うのか?
❏一つ目は資金援助の面
従来の休学制度は今回の東大のFLY Programとは異なり、基本的には大学側がバックアップ、援助するということはありません。
むしろ私立の大学なんかだと、名前を残しておくための費用的な感じで休学をするのにもいくらかお金がかかります。いわゆる休学費用というやつです。(参考記事:【大学】高すぎ?休学費調べまとめました【22大学】)
一方、今回のFLY Programは休学中の活動内容によっては最高50万円までの資金援助が行われます。
❏もう一つは時期的な制約
従来の休学制度はどの年次で休学しても大丈夫でしたが、東大のFLY Programは大学1年という初年次で休学する必要があります。これは既にギャップイヤーが機能している欧米の大学にならい、高校から大学に挙がった際のギャップイヤーに注目した結果だと思います。
✔FLY Programはどのような波紋を呼ぶのか。
東京大学の公式サイトによると、
欧米の大学では、入学前などの時期に、こうした「寄り道」を認める「ギャップイヤー」と呼ばれる仕組みが普及・定着しています。東京大学の取組は、これに準じた、日本での先導的な試みの一つとなります。(引用 http://www.c.u-tokyo.ac.jp/info/academics/zenki/fly/) |
とあります。
この東大の思惑には、
「僕たち東大が先駆けて導入した制度だから、他の大学もどんどん僕たちにならって導入していってね」
というニュアンスも無きにしもあらずだと思われます。
というより、他の大学がそのように解釈してどんどん模倣していくべきです。
なにはともあれ、今まで休学することを推奨する風潮がなかっただけに、この東大の動きは日本の教育界においてかなり大きな変革になるのではないでしょうか。
就職予備校と揶揄されている日本の大学がちょっとずつ変わっていきますように、願うばかりです。
(個人的にはもっとはみだし大学生が増えればと思っています。笑)
*東京大学「FLY Program」についての詳細はこちらの公式ページをご覧ください。