2月12日〜15日 ブラジル・サンパウロ
サンパウロにあるすき家。味も値段も劣らず!
日本から見て地球の裏側に位置する国、ブラジル。
2014年の名目GDPはアメリカ、日本、中国、ドイツ、イギリス、フランスに次いで第7位であり、ラテンアメリカ最大の経済大国。
僕が訪れたのはそんなブラジルの経済の中心都市サンパウロと、カーニバルで有名なリオデジャネイロ(カーニバルの規模は今まで見た中で圧倒的に一番でした!)。
今回はその前者、サンパウロでお会いした現在ブラジルに赴任中の椎名穣(みのる)さんを紹介します!ブラジルで働くということについて、そして海外経験を充実させるために何が必要なのか、お聞きすることが出来ました。
✔椎名穣さんプロフィール
神田外語大学へ入学し、アメリカNYへ1年間の交換留学を果たす。留学先でディーンズリスト(成績優秀者)に交換留学生で初めて載る。帰国後は、TOEICの点数が倍になり(400-890へ)、英語作文添削、簡易通訳、インタビューなどのアルバイトを経験する。その後、一部上場の国際輸送会社へ就職し、5年以上合計で1000通以上の英語メール、500時間以上の電話や会議を行い、20カ国以上の人と英語で意思疎通を図ってきた。現在は研修でブラジル・サンパウロに1年間滞在中。知識労働者に必要なヒントとして毎日メルマガも配信中。他にも英語にて毎日ブログも配信しています。(英語です)
✔上司からの連絡、「行き先変更、ブラジル。」
−なぜブラジルへ?ブラジルへ渡るまでの経緯を教えて下さい。
元々海外で働きたいという夢があり、現在の会社へ入社しました。社内の研修制度で1年間のブラジル赴任が決まりました。実は直前まで行き先はアメリカのシカゴだったのですが、上司からの連絡で「行き先変更、ブラジル。」と言い渡されました。
赴任前の勤務地が浜松(ブラジル人が日本一多い地域)ということもあり、事前準備は語学も踏まえ在日ブラジル人から手ほどきを受け色々と備えることができたのは本当にありがたかったです。
当時はブラジル行きはかなり驚きましたが、今は本当にブラジルで良かったと思っています。
✔大事なのは、アミーゴ(友だち)になること
−実際にブラジルで働いてみて感じたことを教えて下さい。
「アミーゴになること」が何よりも重要だと思っています。
杓子定規に仕事を命令しても、どうしても他人感が拭えず熱心に仕事をやってもらえることは難しいです。だからこそ、オフィスであったら笑顔で挨拶を交わして、週末の小話をして、仲良くなる。
ブラジル人との仲を円滑に進めるうえで、重要になってくるのがポルトガル語です。仕事自体は英語で完結できる会社も少なくありません。しかし、彼らの母国語に敬意を払いポルトガル語でコミュニケーションをとることが、いざという時に役立ちます。
✔ブラジルならではのフレキシブルとは?
−ビジネスにおけるブラジルと日本の違いはありますか?
いい意味でも悪い意味でブラジルはフレキシブルです。
アポイントも30分遅れようとも、連絡さえ入れておけば特に問題なしです。サンパウロ市内の渋滞はひどいので、みなさん時間通りにつくことがどれだけ難しいか理解されています。
しかし反対に、それを常としてしまい遅れてもいいという考え方が常態化している場合もあります。本当に緊急を要する仕事の場合、日本人感覚では理解に苦しむケースもしばしばです。
✔ブラジルの治安について
−ブラジルについて伝えたいことはありますか?
これだけは伝えておきたいのですが、ブラジルはそこまで危険ではありません。
もちろん、全てではないにしても襲われる人は襲われるべくして襲われています。よく領事館のニュースで、「邦人が窃盗の被害にあった」等と書かれることがありますが、前後の文脈が欠如しています。iPhoneで電話しながら歩いていたかもしれないし、カメラを出しっぱなしで歩いていたかもしれません。被害にあった人の話を聞くと、それは被害にあっても仕方ないよというようなケースが多いことに驚きます。注意をしていれば、メディアで騒がれるような危険な場所ではありません。
✔世界で通用するサバイバル能力を身につける
−では、これからの将来設計を出来る範囲で教えて下さい。
将来設計の軸は「世界で通用するサバイバル能力を身につける」です。
常に世界に目を向けながら、会社に依存しない力を身につけていこうと思っています。具体的には直近でオリンピックに向けてポルトガル語の書籍を出版したいとか、ポルトガル語が公用語のアンゴラやモザンビークへ行きアフリカを視察する予定などでしょうか。
✔実際に海外に出たあと、さらに海外で外に出る必要がある
−最後に何かメッセージをお願いします。
狭間くんのブログを読んでいる時点で海外志向が強い方たちが読者だと思います。
海外に出るのが目標だとして、実際に海外に出たあと、さらに海外で外に出る必要があるように感じています。
本当に些細なことでいいんです。
バーに繰り出すとか、旅に出るとか、日本人の集まりに出るとか、サークルに入ってみるとか、この程度のことでいいんです。
私の場合、Toastmastersというスピーチ団体にブラジルに来てから2週間目に乗り込みました。はじめのうちはポルトガル語なので理解度ゼロで、スピーチどころではなかったのを鮮明に覚えています。しかし、現在はスピーチを行う一方で、サンパウロにある6つの団体をまとめ、トレーニングイベントの開催を統括するまでになりました。
これは数ある中の一つの例にすぎませんが、私はブラジルのなかでさらに外に出ることにより、言葉を理解し、ブラジル人を理解し、習慣を理解し、文化を理解することに努めています。
働いている会社だけでなく、多くの人たちに会い、刺激を受け、自らを陶冶する。
それが本当の意味で世界で通用する人間になる道のりではないかと思います。
✔最後に:とにかく出る。出る。出る。
とにかく外に出る、出る、出るという姿勢、海外に出るだけでなくさらに海外で外に出る。
よく言われていることですが、海外に行くのが誰でも出来る時代になった今、ただ日本を飛び出すだけではダメで「さらにその先で何をやるか」がとても重要になってきます。椎名さんはそれを自分なりに考え、海外でさらに会社から飛び出して「外に出ること」を実践しています。
今、海外にいる方、これから海外に行く方は今一度その部分を考えてみるのもいいかもしれません。
最後にそんな椎名さんのメルマガから「外に出ること」について抜粋しましたのでぜひ。
プロジェクトを掲げ、
とにかく会う。会う。会う。大雨洪水で停電してアポがキャンセルになろうが、
何の連絡もなしにアポが忘れられていようが、
ポルトガル語で大して何言っているか分からなくとも、とにかく出る。出る。出る。
物価が高かろうが、
全く知らないところだろうが、
夜が危なかろうが、(これには注意が必要)外に出る。出る。出る。
出れば出ただけ、
知識とモチベーションという対価となり、
しっかりと返ってきます。